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予定説とは?わかりやすく5分で解説

予定説とは、フランスの神学者カルヴァンが提唱した救う者と滅びる者は予め神によって決められているという神学思想のこと

簡単に言うと現世でいくら善行を積んでも、どんな罪を犯しても、その人が天国に行けるか地獄に落ちるかは既に神によって決められているため、覆ることは無いという思想。

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背景

16世紀、カトリック教会は腐敗していた。その最たる例として、贖宥状(免罪符)の販売がある。贖宥状は、罪の赦しをお金で買える言わば天国行きの切符といえる。やがて教会のやり方に疑問を持つ者が現れた。

ルターの宗教改革

ドイツの神学者ルターは、新約聖書パウロ書簡より着想を得て信仰義認説を唱えた。信仰義認説とは、信仰によってのみ救われるという思想のこと。彼は善行によって救われる(行為義認説)と主張する教会と対立し、プロテスタントの旗手となった。

カルヴァンの登場

ルターに感化されたフランスの神学者カルヴァンは、スイスで予定説を唱えた。予定説は、何をしても運命が変わらないという決定論的な立場をとるため、人々は自分が救われるのかどうかを確かめる術を求めた。そこで彼は仕事に励むことを奨励した

彼は仕事が神から与えられたものと考え(職業召命説)、仕事に励み成功する人を神が救済リストから外しているはずはないと説いた。当時の宗教観では労働や蓄財は卑しいものとされていたため、画期的な発想だった。

アルミニウスの主張

予定説は人間の自由意思を認めない。神が単独で無条件に選別する(神単働説)。これに対しオランダの神学者アルミニウスは人間に自由意思はあると考えた。彼は、神はその人が自由意思によって信仰心を持つかどうか予知し選別する(神人協働説)と主張した。

その後アルミニウスの主張はドルト会議によって公式に退けられた。また同会議によってカルヴァン主義の5つの特徴(全的堕落、無条件的選び、制限的・限定的贖罪、不可抵抗的恩恵、聖徒の堅忍)が明確に定義された。これをドルト信仰基準という。 

予定説と資本主義

予定説は労働や蓄財を肯定していたため、ヨーロッパ各地の商工業者に支持された。19世紀、ドイツの経済学者ウェーバーは論文プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神の中で、予定説が資本主義を発展させたと論じている。

たとえばプロテスタントが多いアメリカ、ドイツに比べ、プロテスタントが少ないフランス、イタリアの経済は発展していない。

スイスで時計産業が盛んな理由

16世紀、フランスでのカルヴァン支持者はユグノーと呼ばれた。ユグノーはフランスで宗教的迫害を受けていたため、やがて各国へ亡命していく。その中でスイスへ亡命したユグノーには手工業者が多く、時計製造技術を持つものもいた。

一方スイスでは、カルヴァンの改革により贅沢品が規制されたため、宝飾細工職人が仕事を探していた。そこで、ユグノーと地元宝飾細工職人のコラボが始まった。これがスイス時計産業のルーツ。

余談

プロテスタントが多い国では食事が不味く、美的センスがないと言われる。これはプロテスタントが質素倹約の是とするため。イギリスでは料理が不味く、反対にフランス、イタリアでは料理が美味しく、有名なファッションブランドが多い。