なにかの知識

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D.B.クーパー事件とは?わかりやすく5分で解説

D.B.クーパー事件とは、メリカで発生した民間航空史上唯一の未解決ハイジャック事件のこと

犯人はダン・クーパーと名乗ったが、メディアが誤ってD.B.クーパーと伝え広まった。

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事件の概要

1971年11月24日、ワシントンD.Cからシアトルへ向かうノースウエスト・オリエント航空305便に、経由地ポートランドから年齢40代、身長約180cm、体重約80kgの黒いスーツを着たダン・クーパーと名乗る男が搭乗した。

離陸後、彼は客室乗務員に鞄の中にある爆弾のようなものを見せ、20万米ドル、パラシュート4つ(メイン2つと予備2つ)、空港での給油車の待機を要求した。ハイジャックの報を受けたFBIと地元警察は、番号を控えた20ドル紙幣1万枚とパラシュートを準備した。

17時49分頃、305便が空港に到着すると身代金とパラシュートの受け渡し、燃料補給、乗客の解放が行われた。19時40分頃、燃料補給を終えた305便はメキシコシティに向け離陸した。離陸後、彼は乗員をコックピットに集めドアを閉めさせた。

20時頃、コックピットで機体尾部の出入り口(エアステア)の起動ランプが点灯し、その後、機体尾部が上方に傾いた。22時15分頃、空港に到着した機体を調べるとクーパーと身代金が消えていた。以降、彼は見つかっていない

犯人の行動

クーパーは機内で酒を頼んだ際にはしっかり代金を支払い、空港では狙撃を避けるため窓を閉めさせる等、終始冷静だった。再離陸時は、飛行高度(10,000フィート以下)や高揚力装置(フラップ)の角度(15度)、対気速度(時速約300キロ)等を細かく指示した。

パラシュートはメインと予備を1つずつ持ち出し、残した予備は展開し紐を切断した。この紐は身代金を体に括り付けるのに使用したと思われる。また、メインは新旧ある中で旧式を、予備は教習用で展開できないダミー品を誤って選んだ

彼が飛び降りたのは20時過ぎと思われるが、追跡していた5機の航空機はいずれも確認できなかったため、FBIは落下地点を絞れなかった。これは黒いスーツ姿で闇に紛れやすく、かつ大雨で視界が悪かったためとされる。

犯人の推定

クーパーは身代金要求時、negotiable American currency(流通可能な米ドル)という表現を用いた。彼に訛りはなかったが、この表現はアメリカ人に馴染みのないものだった。このことから彼はカナダ人という説がある

また彼の座席には、本人のものと思われるネクタイが残されていた。2011年、ネクタイからチタン粒子が発見された。これは、彼が化学薬品か金属加工工場にスーツで出入りする者(経営者か技術者)という説がある

さらに、再離陸時の細かい指示や飛行中エアステアが開けられることを知っていた等の知識から、当該機を製造したボーイングの関係者という説もある。その他、機内からシアトルの地理を把握し空軍基地の話をしていたことから、空軍関係者という説もある

スカイダイビングについては、誤ってダミーを選んだことから経験豊富とは考えられていない。

身代金の発見

事件後、FBIと警察は犯人の似顔絵を作成するとともに広範囲に捜索を行ったが、手掛かりは見つからなかった。さらに身代金の番号を公開し、これにメディアは紙幣1枚5千ドルの懸賞金をかけたが、懸賞金目当ての偽札しか集まらなかった。

1980年、コロンビア川で身代金の20ドル紙幣290枚(100枚2束と90枚1束)を発見した。この事実は新たな憶測を呼んだ。もし、この紙幣が意図的に埋められたものではなく自然に流れ着いたものだとすると、クーパーは発見場所よりも上流に降りたことになる。

しかし、当初着陸地点は発見場所よりも下流で合流するルイス川付近と考えていたため、研究者の間で意見が割れた。

被疑者について

被疑者死亡説

FBIはスカイダイビングの経験が豊富でない点、冬場に大雨の中おそらく森に着陸したという点から生存は難しいと考えている。しかし、死亡説を裏付ける痕跡は見つかっていない

リチャード・マッコイ

元米兵でスカイダイビング愛好家。 1972年4月7日、本事件と同様の事件を起こし逮捕され、刑務所から逃亡中の銃撃戦で死亡した。しかし、彼は南部訛りで酒も飲まなかった

ドゥエーン・ウェーバー

元米兵。彼は死に際に自身がクーパーだと妻に告白した。しかし、彼の指紋は機内に残されたどの指紋とも一致しなかった。 

ケネス・クリスチャンセン

元米兵。彼は軍隊でパラシュート部隊に所属、除隊後はノースウエスト・オリエント航空で客室乗務員等を務めた。しかし、彼は目撃証言に比べ小柄だった

ウォルター・レカ

元米兵。彼は軍隊でパラシュート部隊に所属していた。彼の友人が問い詰めたところ自身がクーパーだと認めた。しかし、パラシュートに詳しい人はダミーを選ばない

 

アノマリーとは?わかりやすく5分で解説

アノマリーとは、相場の法則や理論では説明の難しい現象のこと

相場は人の心理によって動かされるため、根拠のない現象も浸透すれば真実になることがある。以下にその種類を示す。

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日本の株式市場

1月効果

1月に株価が上昇する現象のこと。年末に税金対策として処分売りが強まる一方で、年始はその売却資金や新規資金の流入で反発するためという説がある。

節分天井、彼岸底

2月上旬に株価が上げ止まり、3月中旬に株価が下落する現象のこと。1月に上昇した株価が2月調整に入り、3月の決算を前に機関投資家が売るためという説がある。

4月高、こいのぼり天井

4月から5月上旬にかけて株価が上昇する現象のこと。新年度で新規資金が流入するためという説がある。

七夕天井、天神底

7月上旬に株価が上げ止まり、7月下旬に株価が下落する現象のこと。7月上旬に3月決算企業の配当金やボーナスの資金が流入し、その後外国のバカンス、イスラム圏のラマダン等によって買いが弱くなるためという説がある。

夏枯れ相場

7月から8月頃に相場が膠着する現象のこと。お盆休みで市場参加者が減るためという説がある。

稲穂相場

9月下旬から10月にかけて上値が重くなる現象のこと。4~9月期の業績発表を見て利益確定の売りを行うためという説がある。

掉尾の一振

年末にかけて株価が上昇する現象のこと。新年相場への期待感や機関投資家が期末の終値で評価されるファンドの成績を良くするために行う買い(ドレッシング買い)のためという説がある。

解散総選挙は買い

解散総選挙で株価が上昇する現象のこと。与党長期政権化による経済の安定を期待するためという説がある。

サザエさん効果

サザエさんの視聴率と株価が反比例する現象のこと。景気が良いと日曜夕方に外出する人が増えるためという説がある。

世界の株式市場

セルインメイ

米国で5月に株価が下落する傾向のことヘッジファンドが決算で5月に換金売りするためという説がある。

サマーラリー

米国で7月から9月にかけて株価が上昇する現象のこと。バカンス前に優良株を買いだめするためという説がある。

ハロウィン効果

米国で10月下旬に株価が下落する現象のこと。投資家がヘッジファンドを解約する時期が5月と11月(45日ルール)にあり、解約に備えてヘッジファンドが換金売りするためという説がある。

サンタクロースラリー

米国でクリスマスから1月にかけて株価が上昇する現象のこと。年末の税金対策としての処分売りが一段落し、買い戻されるためという説がある。

米大統領選の前年

米国で米大統領選の前年に株価が上昇する現象のこと。現職の大統領が支持率を意識した景気対策を行うためという説がある。

月曜株安

月曜日に株価が下落する現象のこと。株価への影響を避けるため休日に悪いニュースが出やすいためという説がある。

TOM効果

月末や月初に株価が上昇する現象のこと機関投資家が月末の終値で評価されるファンドの成績を良くするために行う買い(ドレッシング買い)のためという説がある。

小型株効果

時価総額の小さい株(小型株)の方が利回りが高い現象のこと。小型株は注目度が低く割安株が放置されるためという説がある。

モメンタム効果

値上がりした銘柄はさらに上昇し値下がりした銘柄はさらに下落する現象のこと。流行りに乗りたがる認知バイアス(バンドワゴン効果)が働くためという説がある。

リターンリバーサル

値上がりした銘柄は下落し値下がりした銘柄は反発する現象のこと。投資家の過剰反応が修正されるためという説がある。

低PER効果

株価収益率(PER)の低い銘柄の方が利回りが高い現象のこと。低PER銘柄が過小評価されているためという説がある。

配当落ちアノマリー

高配当銘柄が権利獲得後(権利落ち日以降)に配当以上に株価が下落する現象のこと権利落ち日前は配当目当てで割高になるためという説がある。

太陽黒点アノマリー

太陽黒点が多い時期は株価が上昇し少ない時期は下落する現象のこと太陽黒点の増減により気候が変動し、農業や環境関連銘柄に影響を与えるためという説がある。 

為替市場

ゴトー日

5や10がつく日に円安ドル高になる現象のこと。日本の輸入企業が決済でドルを買うためという説がある。 

窓埋め

休日に大きなニュースがあるとレートが飛び(窓開け)、その後開きを埋める方向に相場が進む現象のこと。休日持ち越したトレーダーが利益確定するためという説がある。損切りに比べ利益確定が早いことは行動経済学プロスペクト理論で説明される。

水曜日スワップ

水曜日に円安になる現象のこと。水曜日は金土日3日分のスワップ金利の付与があり金利の低い円が売られるためという説がある。

ジブリの呪い

金曜ロードショージブリ作品が放映されると相場が荒れる現象のこと。米雇用統計が月初金曜日となりたまたまタイミングが重なるためという説がある。

行動経済学とは?わかりやすく5分で解説

行動経済学とは、イスラエルの心理学者トベルスキーとカーネマンらが確立した、人間の心理的な行動から経済を研究する学問のこと

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背景

1900年、フランスの数学者バシュリエが、金融商品の値動きは過去の変動に関係なく不規則に動くと主張した(ランダムウォーク理論)。これは市場の予測が不可能ということを意味する。

彼は金融を数学で読み解く分野(数理ファイナンス)の先駆者となった。1960年代、アメリカの経済学者ファーマが、金融商品の価格にはすべての情報が直ちに反映されると主張した(効率的市場仮説)

これはランダムウォーク理論と相性が良い。なぜなら、情報に支配される値動きは予測不可能と考えるため。たとえば日本で大災害が発生した時、情報が直ちに伝わり投資家が日本経済の減速を合理的に判断し株を売るため、日経平均株価が下落すると考える。

このように効率的市場仮説は、人間を自らの利益のみを追求し合理的に行動する存在(ホモエコノミクス)として扱う。2013年、ファーマが資産価格の実証分析に関する功績でノーベル賞を受賞した。

標準的経済学に対する批判

効率的市場仮説は、実体経済から金融商品の価格が乖離して高騰する現象(バブル)や勝ち続ける投資家がいることを説明できない。なぜなら、実体経済の情報をもとに合理的に価格が決定され、その情報は先に誰も知りえず抜け駆けはできないと考えるため。

バブルのように効率的市場仮説では説明できない現象をアノマリーという。アノマリーには、1月に株価が上昇する1月効果や、値上がりした銘柄はさらに上昇、値下がりした銘柄はさらに下落するモメンタム効果等様々ある。

またくじ引きのような不確実な事象の意思決定において、標準的経済学では、期待値(確率と値の積の和)の高い方が選ばれるとされていた(期待効用理論)。しかし、100%1万円か60%2万円失う選択では後者を選ぶ傾向がある。これは合理的な判断とは言えない。

行動経済学の誕生

1947年、アメリカの認知心理学者サイモンが、人間の認知能力には限界があり完全に合理的な行動はできないと主張した(限定合理性)。1978年、サイモンが意思決定プロセスの研究でノーベル賞を受賞した。

その後サイモンの考えを継承し、イスラエルの心理学者トベルスキーとカーネマンらによって、人間の心理学的な見地から経済にアプローチする行動経済学が生まれた。行動経済学は標準的経済学では説明できなかった事象を説明した。

2002年、カーネマンが行動経済学の確立でノーベル賞を受賞した。

行動経済学の主な功績

行動経済学の主な功績を以下に示す。

プロスペクト理論

1979年、トベルスキーとカーネマンが、不確実な事象の意思決定において収益よりも損失を避ける傾向を理論化した(プロスペクト理論)プロスペクト理論は価値関数と確率加重関数からなる。

価値関数は、同じ金額なら利益よりも損失を重く考える傾向を示す(損失回避)。たとえば1万円の利益は約2万5千円の損失と同等となる。また価値関数は、金額が大きいほど金銭感覚が鈍感になる性質も示す(感応度逓減性)

たとえば、数千万円の土地を買う時に数万円の差は大して気にしないが、ガソリン代は1円でも安く買いたいと考える傾向がある。確率加重関数は、約35%を境にそれ以下の確率を過大にそれ以上の確率を過少に考える傾向を示す。

たとえば、当選率の低い宝くじを購入したり成功率の高い手術を躊躇する傾向がある。 

ヒューリスティック認知バイアス

トベルスキーとカーネマンが、人間が意思決定の手がかりとして行う経験や勘(ヒューリスティック)には非合理的な思考の偏り(認知バイアス)があることを示した認知バイアスには、先に提示した値が後の値に影響を与える現象(アンカリング)等がある。

これを利用し、商店では標準価格を隠さず値引額を表示することでお得感を出す。

双曲割引

アメリカの心理学者エインズリーが、遠い将来は待てるが近い将来は待てない傾向を発見した(双曲割引)。たとえば、1年後に1万円か1年と1週間後に1万500円貰えるなら後者、今日1万円か1週間後に1万500円貰えるなら前者を選ぶ傾向がある。 

心の会計(メンタルアカウンティング) 

1980年代、アメリカの経済学者セイラーが、お金の意思決定において合理的でなく狭い枠内で損得を判断する傾向を概念化した(心の会計)。たとえば、ギャンブルで簡単に得たお金は浪費しがちだが、働いて得たお金は慎重に扱う傾向がある。

2017年、セイラーが行動経済学に関する功績でノーベル賞を受賞した。

行動経済学の応用

セイラーとアメリカの法学者サンスティーンが、自発的に良い選択をするよう心理学的に誘導する方法を概念化した(ナッジ)。たとえば、男子便器にハエの絵を描くことで床が汚れなくなり清掃費を減少させた。

弁護戦術とは?わかりやすく5分で解説

弁護戦術とは、裁判において被告人を弁護するために用いる防御手段のこと

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弁護戦術の種類

弁護戦術の主な種類を以下に示す。

オートマティズム

無意識や体が勝手に動いて犯行に及んだという弁護のこと。2009年、イギリスで睡眠障害の男性が妻を睡眠中に殺した事件では、主張が認められ無罪となった。

錯誤

勘違いによって犯行に及んだという弁護のこと。1987年、イギリスで強盗した少年を捕まえた男を、別の男が少年に危害を加えていると勘違いして殴りかかった事件では、主張が認められ起訴が棄却された。

正当防衛

緊急の状態で危険や危難を避けるためにやむを得ず犯行に及んだという弁護のこと。1925年、アメリカで黒人医師が白人の集団に家を襲撃され、反撃で1人を殺した事件では、主張が認められ無罪となった。

緊急避難

緊急の状態で危険や危難を避けるためにやむを得ず犯行に及んだという弁護のこと。2000年、イギリスで腹部が結合した双子に対し、2人とも死亡すると判断した医師が分離手術を望み裁判所が手術を容認した。手術は成功し1人を救い1人を死亡させた。

正当防衛との違いは、正当防衛は正と不の関係に対し、緊急避難は正と正の関係となるところにある。

インサニティディフェンス

精神障害により責任能力がない状態で犯行に及んだという弁護のこと。1843年、イギリスで首相暗殺を試みた男性が誤って秘書を殺した事件では、主張が認められ無罪となった。

イントクシケイションディフェンス

薬物やアルコールの影響により責任能力がない状態で犯行に及んだという弁護のこと。2015年、アメリカで喘息薬を服用した女性がその副作用による奇行で8歳の娘を窒息させた事件では、主張が認められ起訴が棄却された。

ゲイパニックディフェンス

同性愛者に対し不安や恐怖からパニックになり犯行に及んだという弁護のこと。2015年、アメリカで同性愛者の隣人から迫られていた男性が隣人を殺した事件では、ある程度主張が認められ殺人罪が過失致死罪となった。

トゥインキーディフェンス

健康食を好む被告人がジャンクフードを食べるようになるほど精神的に不安定だったため犯行に及んだという弁護のこと。1978年、アメリカでサンフランシスコ市議会議員が市長と同僚議員を射殺した事件では、ある程度主張が認められ減刑された。

トゥインキーとは、本記事トップ画像に示すアメリカの代表的なジャンクフードのこと。

ファンタジーディフェンス

ネットは空想の世界と認識し未成年と言われても大人が演じていると思い犯行に及んだという弁護のこと。1999年、アメリカでFBIの囮捜査員がチャット上で演じた13歳の少女に対し、男性が性犯罪を起こそうとした事件で用いられた。

ヒップフラスコディフェンス

運転後に飲酒しただけで運転前に規定値を超える飲酒は行なっていないという弁護のこと。1991年、スウェーデンで起きた飲酒運転の9割にこの弁護が用いられた。

アフルエンザディフェンス

裕福な家庭に育ちお金で解決できない問題を想像することができなかったため犯行に及んだという弁護のこと。2013年、アメリカで16歳の少年がスーパーからビールを盗み飲酒運転を行い4人を殺した事件では、主張が認められ懲役を免れ保護観察となった。

マトリックスディフェンス

仮想現実の世界と思い込み犯行に及んだという弁護のこと。2002年、アメリカで女性が大家の女性を仮想現実の管理人で洗脳に関与していると思い込み射殺した事件では、主張が認められ無罪となった。

仮想現実が舞台のSF映画マトリックスが由来。

アビュースディフェンス

虐待から逃れるために犯行に及んだという弁護のこと。1993年、アメリカで日常的に暴行を受けていた妻が夫の陰茎を切り落した事件では、主張が認められ無罪となった。

イディオットディフェンス

情報を知らず犯行に関与していなかったという弁護のことアメリカでエンロン社が不正会計を行った事件でCEOが主張したが、有罪となった。

ハッカーディフェンス

ウイルスに感染したコンピュータが勝手に行ったという弁護のこと。 2001年、イギリスの少年がヒューストン港のコンピュータシステムを攻撃した事件では、主張が認められ無罪となった。

シャギーディフェンス

ひたすら自分ではないと否定する弁護のこと。2002年、アメリカでミュージシャンのR.ケリーと未成年の女性の性行為を撮影したと思われるビデオが流出した事件では、ひたすら否定し無罪となった。

レゲエミュージシャンのシャギーが発表した、浮気現場を目撃された男の曲It Wasn't Me(俺じゃない)が由来。

ブラックレイジディフェンス

黒人差別が精神状態に影響を与え犯行につながったという弁護のこと。1993年、アメリカで黒人が列車内で白人6人を射殺した事件で主張されたが、有罪となった。 

ベツレヘムの星とは?わかりやすく5分で解説

ベツレヘムの星とは、イエス・キリストの誕生を知らせたとされる星のこと

一般にイエスの誕生を祝福する星とされるが、エホバの証人ではイエスの誕生を敵に知らせる悪魔の星として扱われる。

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新約聖書(マタイによる福音書)での描写

エスユダヤベツレヘムで生まれた時、東方の三賢者がエルサレムへ来てこう言った。「ユダヤの王として生まれた方はどこにいるか、私達は東方でその方の星を見て、その方を拝むために来た。」それを聞きヘロデ王は動揺した。

ヘロデ王は三賢者に星が現れた時期を詳しく聞き、イエスを見つけ次第報告するよう伝えた。三賢者が旧約聖書で救世主の誕生が預言されていたベツレヘムへ出かけると、東方で見た星が彼らの先を行きイエスのいる場所の上でとどまった

そこで彼らはイエスを祝福し、夢でヘロデ王に報告しないようお告げがあったのでそのまま帰国した。その後、イエスの存在を恐れたヘロデ王ベツレヘムとその周辺にいる2歳以下の男児をすべて処刑したが、イエスはお告げによってエジプトに逃れていた。

エスはいつ生まれたのか

新約聖書にはイエスの生年が記されていないため、ベツレヘムの星がいつ現れたのかは不明。但し、ヘロデ王の在位は紀元前37年~4年と推定されるため、エスの誕生は少なくとも紀元前4年以前ということになる。

また新約聖書ルカによる福音書に、カエサル治世の15年イエスが約30歳の時に宣教を始めたとの記述がある。そこから逆算すると、仮に宣教開始が32歳だった場合は紀元前4年生まれとなる。一般にイエスの生年は紀元前6年から4年頃と考えられている

ベツレヘムの星の特徴

ベツレヘムの星の特徴として、紀元前4年以前に現れた点、三賢者には見えヘロデ王には見えなかった点、東方で西の空に、エルサレムで南の空に計2回間隔を空けて現れた点等があげられる。

新約聖書には東方の位置が記されていないため、三賢者の移動期間、すなわちベツレヘムの星の出現間隔は不明。一般に出現間隔は数週間から数年と考えられている

ベツレヘムの星の正体

ベツレヘムの星の正体について主な説を以下に示す。

流星説

流星とする説。流星は一瞬で消えるため、イエスのもとへ導きとどまったという記述を説明できない。

彗星説

彗星とする説。紀元前12年、中国の書物にハレー彗星の観測記録があるがイエスの生年予測と合わない。紀元前5年、中国の書物に彗星と見られる星が70日間現れたという観測記録がある。

会合説

複数の天体が見かけ上極端に近づいて一つに見える現象(会合)とする説。紀元前7年、木星土星が約6ヶ月間で3回にわたって会合した。但し、この時の会合は1つの星に見えるほど近づいていないが、新約聖書では星が単数形で記されている。

超新星

大質量の恒星が突然強い光を放ち爆発する現象(超新星)とする説超新星が現れた場合は数週間から数ヶ月ほど観測できるが、この時期の世界中の書物に超新星が出現したという記録は確認されていない。

17世紀、ドイツの天文学者ケプラーは会合により超新星が出現するとし、紀元前7年の木星土星の三連会合で超新星が生まれたと主張したが、後に会合と超新星は無関係だと明らかになった。

惑星食説

惑星が他の天体の影響で隠れて見える現象(食)とする説。紀元前6年、3月20日と4月17日に月による木星食が起きた。この時の木星食は時間的に肉眼で見えなかったため、天文学に精通している三賢者のみ予測できた(比喩的に見えた)と考える。

更に3月20日は西の空、4月17日は南西の空で起きているため、方角もほぼ一致している。

変光星

膨張と収縮を繰り返し星の明るさが変化する星(変光星)とする説くじら座の恒星ミラは、約332日周期で明るさが2等星から10等星まで変化する。10等星ともなると肉眼で確認できないため、出現と消失を繰り返すように見える。 

フィクション説

フィクションとする説新約聖書の4つの福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)には、同じエピソードでも互いに矛盾する記述がある。このことから、聖書には作者による創作が含まれると考える。

奇跡説

奇跡とする説。聖書には多くの奇跡の記述がある。

文化として

クリスマスツリーの先端に飾られる星はベツレヘムの星を模したもの。また日本や北欧でクリスマスソングとして扱われる「星に願いを」は、ベツレヘムの星を指す。

神話類型とは?わかりやすく5分で解説

神話類型とは、世界の神話に現れるパターンの分類のこと

19世紀、異なる文化圏の神話を比較する学問(比較神話学)の発展により誕生した。

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なぜ類似するのか

神話の類似は、主に伝来と集合的無意識で説明される。

伝来

もととなる神話があり、それが伝わったというもの。神話も言語と同様に共通のルーツから派生したと考える。伝来には模倣だけでなく、植民地政策として文化や宗教を強要される例もある。

集合的無意識

人類の根底に共通して存在する意識、イメージがあるというもの。光を重要視して太陽を神格化(太陽神)したり、天災を神の怒りとしたり、人類は異なる文化圏でも同じ発想をすると考える。スイスの心理学者ユングが提唱した。

主な神話類型

主な神話類型を以下に示す。

見るなのタブー型

見てはいけないという約束を破り悲劇が訪れる話旧約聖書では、ロトの家族がソドムから脱出する際、ヤハウェの使いから振り返るなと言われたが、ロトの妻が振り返ったため塩の柱にされた。

ギリシャ神話では、ゼウスから開けるなと言われた箱(壺)をパンドラが開けたため、中から飛び出した災いが世界中に広がった(パンドラの箱)。ちなみに、禁止事項を破りたくなる現象をカリギュラ効果という。

メルシナ型

人間ではない存在を妻に迎えるが、見るなのタブーを破り離別する話。フランスの伝承では、レイモンがメルシナを妻に迎えた際、土曜日に自分の姿を見るなと言われたが、レイモンが覗き龍の姿のメルシナを見たため妻が去った。

日本神話では、ホオリがトヨタマヒメを妻に迎えた際、出産の様子を見るなと言われたが、ホオリが覗き竜の姿のトヨタマヒメを見たため妻が去った。

オルフェウス

妻を死後の世界から連れ戻す時、見るなのタブーを破り失敗する話ギリシャ神話では、亡くなった妻エウリュディケを連れ帰るために夫オルフェウスが冥府を訪ねた時、冥界を出るまで背後の妻を見てはならないという条件を破ったため、妻は冥界に連れ戻された。

日本神話では、亡くなった妻イザナミを連れ帰るため夫イザナギが黄泉の国を訪ねた際、イザナミから部屋を覗くなと言われたがイザナギが覗き、変わり果てた姿のイザナミを見たため二人は絶交した。 

アンドロメダ

英雄が怪物から女性を救い妻に迎える話ギリシャ神話では、ペルセウスが怪物を倒し、生贄として捧げられていたアンドロメダを妻に迎えた。日本神話では、スサノオヤマタノオロチを倒し、生贄として捧げられる予定だったクシナダヒメを妻に迎えた。 

ハイヌウェレ型

ある者の死体から人類に食物がもたらされる話インドネシア神話では、財宝を排泄するハイヌウェレという女性を気味悪がった人々が生き埋めにして殺した後、死体を掘り返し断片に分け土に植えると食物が生まれた。

日本神話では、空腹のスサノオオオゲツヒメに料理を作ってもらった際、食物がオオゲツヒメの身体中から排泄されたものだと分かったスサノオは、怒ってオオゲツヒメを殺した。するとその死体から蚕と五穀が生まれた。

ニムロッド型

神に矢を放ち反対に矢で射抜かれる話メソポタミアの伝承では猟師のニムロッドが神に矢を放ち、神がその矢を返しニムロッドの胸を貫いた。日本神話ではアメノワカヒコが神の使いのキジを矢で貫き、アマテラスがその矢を返しアメノワカヒコの胸を貫いた。

バナナ型

二者択一の結果、人間の寿命が決まった話インドネシア神話では、初め神が人間に石を与えたが、人間が別のものを欲したため代わりにバナナを与えた。神は、石を選んでいたら不老不死になったと告げた。

旧約聖書では、エデンの園には生命の樹と知恵の樹があり、アダムとイブは知恵の樹を選んだため、エデンの園から追放され不老不死となる生命の樹の実を食べることができなくなった。

呪的逃走型

呪術で追っ手から逃れる話。 旧約聖書では、モーセイスラエルの民とエジプトを脱出する際、海を2つに割り逃げた。エジプト神話では兄インプが無実の罪の弟バタを追いかけていた際、太陽神が現れ2人の間にワニのいる池を作り、弟は兄のもとを去った。

宇宙卵型

卵から宇宙が誕生した話インド神話では、創造神ブラフマーが卵を割って天地を創造した。フィンランド神話では、カモの卵から天地が創造された。

神罰洪水型

神罰で洪水が起きた話旧約聖書では神がノアに船を作らせ、その家族と動物以外を洪水で滅ぼした。バビロニアギルガメシュ叙事詩では神がウトナピシュティムに船を作らせ、その家族や動物以外を洪水で滅ぼした。どちらも鳥を放ち水が引いたのを確認する。

生み損ない型

長子が奇形で捨てられる話ギリシャ神話では、ゼウスとヘラの長子へパイストスが奇形だったため海に捨てられた。日本神話では、イザナギイザナミの長子ヒルコが奇形だったため川に捨てられた。

聖母出現とは?わかりやすく5分で解説

聖母出現とは、現世に聖母マリアが現れる出来事のこと

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聖母マリアについて

聖母マリアとは、新約聖書に登場し処女のまま神の子イエスを身ごもり(処女懐胎)、出産したとされる人物のこと。カトリックではマリアを特別に扱うが、プロテスタントにこの考えはない

これはカトリックが聖書と聖伝(伝承)を重要視するのに対して、プロテスタントは聖書のみを信じ、聖書にマリアを特別視する教えがないため。このことから、一般にカトリック信徒の多い国で聖母出現が多い

カトリックにおいて、マリアを特別視する教えに無原罪の御宿りと聖母の被昇天がある。

無原罪の御宿り

無原罪の御宿りとは、マリアが特別な神の恵みによって原罪を免れているという教えのこと。原罪とは人間が生まれながらに負う罪のことで、アダムとイブが神の命令に背き知恵の実を食べたことを指す。

聖母の被昇天

聖母の被昇天とは、マリアの死後その肉体と魂が天にあげられたという教えのこと。これは、いまだにマリアが存在していることを意味し、聖母出現に無理のない説明を与える。

公的啓示と私的啓示

神が人知を超えた真理等の教えを人々に示すことを啓示という。啓示には大きく公的啓示と私的啓示がある。公的啓示とは広く伝えられた普遍的な啓示のことで、簡単に言えば、聖書や使徒が伝えた内容が公的啓示となる。

私的啓示とは、聖書が書かれた時代以降に個人が受けた啓示のことで、聖母出現は私的啓示となる。カトリックの総本山教皇庁には、私的啓示による奇跡の調査と認定を行う機能があるが、実際認定されるのは数%程度にとどまる。

また教皇庁は、私的啓示を信じるかどうかは個人の自由という見解を示す。

主な聖母出現

教皇庁が認定した主な聖母出現を以下に示す。

グアダルーペの聖母

1531年12月、メキシコのグアダルーペインディオの男性フアンの前に褐色の肌の聖母が現れた。聖母はテペヤックの丘に教会を建てるよう司教に伝えよと告げた。インディオの話を信じない司教は、聖母出現の証拠を求めた。

翌々日、フアンのおじが危篤となり、フアンは瀕死の者に行う儀式(病者の塗油)のため司祭を呼びに行こうとしたが、聖母に呼び止められた。聖母はおじは死なないと言い、丘に咲いたバラ(本来冬に咲かずメキシコにない品種)を司教に届けよと告げた。

フアンからバラを受け取った司教は聖母出現を信じた。この時バラを包んでいたマントに聖母が浮かび上がり、フアンが帰宅するとおじの病は回復していた

ラサレットの聖母

1846年9月19日、フランスのラサレットで2人の子供メラニーとマクシマンが、山で泣いている聖母に遭遇した。聖母は疫病や飢饉を預言した。1845~1849年、ヨーロッパでジャガイモ飢饉が発生し、特にアイルランドでは100万人の餓死者が出た。

ルルドの聖母

1858年2月11日から7月16日までの間、フランスのルルドで少女ベルナデッタの前に聖母が18回現れた。9回目の出現となった2月25日、聖母が預言した場所から水が湧き出し(ルルドの泉)、この水を飲んだり浸した者の病気が治癒するという奇跡が多発した

この奇跡は今日でも起こり、7,000人近くが病気の治癒を報告、その内の約1割が教皇庁によって奇跡として認定されている。ルルドは年間6百万人の巡礼者が訪れるカトリック最大の巡礼地となる。

ファティマの聖母

1917年5月13日から10月13日までの間、ポルトガルのファティマで3人の子供ルシア、フランシスコ、ジャシンタの前に聖母が7回現れた。2回目の出現となった6月13日、聖母はフランシスコとジャシンタがまもなく死ぬと預言し、2人は2年以内に死亡した。

7月13日、聖母は数千人の前で3人にだけ3つの預言を伝えた。第一の預言は地獄が実在すること、第二の預言は第一次世界大戦の終焉と、人々(特にロシア)が回心しないと第二次世界大戦が勃発すること、また第三の預言については1960年まで秘密とされた。

最後の出現となった10月13日、数万人の前で太陽がジグザグに動いたり、様々な光を発した(太陽の奇跡)。これは当時の新聞にも掲載された。ちなみに第三の預言は、3人から教皇庁に報告されたが、教皇庁は1960年になっても公表しなかった。

そのため様々な憶測が飛び交い、1981年には第三の預言の公表を要求するハイジャック事件も発生した。2000年、教皇庁が第三の預言を1981年の教皇暗殺未遂事件と発表したが、隠し続けるほどの内容ではなく教皇庁は真実を隠していると疑う声もある。

バヌーの聖母

1933年1月15日から3月2日までの間、ベルギーのバヌーで少女マリエットの前に聖母が8回現れた。2回目の出現となった1月18日、マリエットが聖母に導かれ泉を発見し、この水を飲んだり浸した者の病気が治癒するという奇跡が多発した

量子論とは?わかりやすく5分で解説

量子論とは、量子という粒子と波動の二重性を持つエネルギーの最小単位に関する理論のこと

相対性理論とともに現代物理学の二大理論とされる。

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歴史

量子仮説

19世紀後半、普仏戦争に勝利したプロイセン(現ドイツ)は、鉄鉱石と石炭の産地アルザス=ロレーヌ地方を得たことで製鉄業が発展した。良質な鉄を作るには炉内の温度を正確に知る必要があり、当時は溶けた鉄の発する光の色から感覚で温度を推測していた。

1900年、ドイツの物理学者プランクが、光の色と温度の関係を数式化した(プランクの公式)。彼はこの式から、光のエネルギーが不連続で最小単位(量子)の整数倍しか存在できないことを導いた(量子仮説)

量子仮説は、物理量が切れ目なく連続的に変化すると考える従来の物理学の常識に反していた。1918年、プランクがエネルギー量子の発見でノーベル賞を受賞した。

光量子仮説

20世紀初頭、光は波と考えられていた(光の波動説)。光を波と考えた場合、そのエネルギーは振幅(波の高さ)に比例する。しかし、物質に光を当てた時に電子が飛び出す現象(光電効果)では、飛び出した電子のエネルギーが振動数に比例していた。

1905年、ドイツの物理学者アインシュタインが、光はエネルギーを持った粒子(量子)の集まりと考えた(光量子仮説)。光量子仮説では、エネルギーは振動数に比例し振幅は量子の数に比例すると考える。

すると光電効果がうまく説明できたため、光は波と粒子の性質を持つとされた。1921年アインシュタイン光電効果の法則発見でノーベル賞を受賞した。

物質波(ド・ブロイ波)

1924年、フランスの物理学者ド・ブロイが、波と考えられていた光が粒子の性質を持つなら、粒子と考えられていた電子が波の性質を持つのではと考えた。彼は、粒子の波としての振る舞いを物質波という概念で表した。

1929年、ド・ブロイが電子の波動性の発見でノーベル賞を受賞した。

シュレーディンガー方程式

1926年、オーストリアの物理学者シュレーディンガーが物質波の方程式(シュレーディンガー方程式)を発表した。この式を解くと、物質波の形(波動関数)を求めることができる。1933年、シュレーディンガーが新形式の原子理論の発見でノーベル賞を受賞した。

ボルンの確率解釈 

1927年、ドイツの物理学者ボルンが、波動関数は電子が存在する位置の確率を示すと主張した(ボルンの確率解釈)。電子の存在確率は波の山と谷で最大、横軸と交わるところで0と考える。1954年、ボルンが確率解釈の提唱でノーベル賞を受賞した。

ハイゼンベルク不確定性原理

1927年、ドイツの物理学者ハイゼンベルク不確定性原理を発表した。不確定性原理とは粒子の位置と運動量、時間とエネルギーといった物理量の関係は、同時に正確に測定できないというもの

1932年、ハイゼンベルク量子力学の創始等の功績でノーベル賞を受賞した。

二重スリット実験

粒子と波動の二重性を示す実験として、二重スリット実験がある。二重スリット実験とは、2本のスリットがある板に向けて電子を1個ずつ発射し、その後ろにあるスクリーンに衝突した電子の跡を観測するもの(本記事トップ画像参照)。

もし電子が粒子の性質しか持たないなら、スクリーンにはスリットと同じ2本の線の跡が現れる。しかし、実験では電子の跡の集合は濃淡模様となり、波で二重スリット実験を行った時に現れる干渉縞のパターンと一致した。つまり電子は波の性質を示した

次に、電子がどちらのスリットを通過するか観測するため検出器を置いて実験を行った。するとスクリーンには干渉縞でなく2本の線が現れた。つまり電子は観測していない時は波として、観測した時は粒子として振舞った

コペンハーゲン解釈 

デンマークの物理学者ボーアらが、今日の量子論における標準的な解釈を提示した(コペンハーゲン解釈)。コペンハーゲン解釈とは、量子は複数の状態が同時に存在し観測によって一つに決まるため、観測前の状態は確率的にしか予想できないというもの

現象が確率に支配されるという考えは従来の物理学にはない。たとえば二重スリット実験では、電子が左のスリットを通過した状態と右のスリットを通過した状態が同時に存在し、スクリーンに衝突すると一つに収縮すると考える。

コペンハーゲン解釈が不完全と考えたシュレーディンガーは、量子の作用で50%の確率で毒ガスが発生する箱に猫を入れる思考実験(シュレーディンガーの猫)を提示し、箱を開けるまで生きた猫と死んだ猫が存在する奇妙さを指摘した。

別の解釈に、量子が収縮せずに世界は可能性の分だけ枝分かれするという考え(多世界解釈)、量子は粒子だが未発見の変数が奇妙な振る舞いを生じさせているとする考え(隠れた変数理論)、量子は粒子だが波に乗っているとする考え(ボーム解釈)等がある。