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聖母出現とは?わかりやすく5分で解説

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聖母出現とは、現世に聖母マリアが現れる出来事のこと

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聖母マリアについて

聖母マリアとは、新約聖書に登場し処女のまま神の子イエスを身ごもり(処女懐胎)、出産したとされる人物のこと。カトリックではマリアを特別に扱うが、プロテスタントにこの考えはない

これはカトリックが聖書と聖伝(伝承)を重要視するのに対して、プロテスタントは聖書のみを信じ、聖書にマリアを特別視する教えがないため。このことから、一般にカトリック信徒の多い国で聖母出現が多い

カトリックにおいて、マリアを特別視する教えに無原罪の御宿りと聖母の被昇天がある。

無原罪の御宿り

無原罪の御宿りとは、マリアが特別な神の恵みによって原罪を免れているという教えのこと。原罪とは人間が生まれながらに負う罪のことで、アダムとイブが神の命令に背き知恵の実を食べたことを指す。

聖母の被昇天

聖母の被昇天とは、マリアの死後その肉体と魂が天にあげられたという教えのこと。これは、いまだにマリアが存在していることを意味し、聖母出現に無理のない説明を与える。

公的啓示と私的啓示

神が人知を超えた真理等の教えを人々に示すことを啓示という。啓示には大きく公的啓示と私的啓示がある。公的啓示とは広く伝えられた普遍的な啓示のことで、簡単に言えば、聖書や使徒が伝えた内容が公的啓示となる。

私的啓示とは、聖書が書かれた時代以降に個人が受けた啓示のことで、聖母出現は私的啓示となる。カトリックの総本山教皇庁には、私的啓示による奇跡の調査と認定を行う機能があるが、実際認定されるのは数%程度にとどまる。

また教皇庁は、私的啓示を信じるかどうかは個人の自由という見解を示す。

主な聖母出現

教皇庁が認定した主な聖母出現を以下に示す。

グアダルーペの聖母

1531年12月、メキシコのグアダルーペインディオの男性フアンの前に褐色の肌の聖母が現れた。聖母はテペヤックの丘に教会を建てるよう司教に伝えよと告げた。インディオの話を信じない司教は、聖母出現の証拠を求めた。

翌々日、フアンのおじが危篤となり、フアンは瀕死の者に行う儀式(病者の塗油)のため司祭を呼びに行こうとしたが、聖母に呼び止められた。聖母はおじは死なないと言い、丘に咲いたバラ(本来冬に咲かずメキシコにない品種)を司教に届けよと告げた。

フアンからバラを受け取った司教は聖母出現を信じた。この時バラを包んでいたマントに聖母が浮かび上がり、フアンが帰宅するとおじの病は回復していた

ラサレットの聖母

1846年9月19日、フランスのラサレットで2人の子供メラニーとマクシマンが、山で泣いている聖母に遭遇した。聖母は疫病や飢饉を預言した。1845~1849年、ヨーロッパでジャガイモ飢饉が発生し、特にアイルランドでは100万人の餓死者が出た。

ルルドの聖母

1858年2月11日から7月16日までの間、フランスのルルドで少女ベルナデッタの前に聖母が18回現れた。9回目の出現となった2月25日、聖母が預言した場所から水が湧き出し(ルルドの泉)、この水を飲んだり浸した者の病気が治癒するという奇跡が多発した

この奇跡は今日でも起こり、7,000人近くが病気の治癒を報告、その内の約1割が教皇庁によって奇跡として認定されている。ルルドは年間6百万人の巡礼者が訪れるカトリック最大の巡礼地となる。

ファティマの聖母

1917年5月13日から10月13日までの間、ポルトガルのファティマで3人の子供ルシア、フランシスコ、ジャシンタの前に聖母が7回現れた。2回目の出現となった6月13日、聖母はフランシスコとジャシンタがまもなく死ぬと預言し、2人は2年以内に死亡した。

7月13日、聖母は数千人の前で3人にだけ3つの預言を伝えた。第一の預言は地獄が実在すること、第二の預言は第一次世界大戦の終焉と、人々(特にロシア)が回心しないと第二次世界大戦が勃発すること、また第三の預言については1960年まで秘密とされた。

最後の出現となった10月13日、数万人の前で太陽がジグザグに動いたり、様々な光を発した(太陽の奇跡)。これは当時の新聞にも掲載された。ちなみに第三の預言は、3人から教皇庁に報告されたが、教皇庁は1960年になっても公表しなかった。

そのため様々な憶測が飛び交い、1981年には第三の預言の公表を要求するハイジャック事件も発生した。2000年、教皇庁が第三の預言を1981年の教皇暗殺未遂事件と発表したが、隠し続けるほどの内容ではなく教皇庁は真実を隠していると疑う声もある。

バヌーの聖母

1933年1月15日から3月2日までの間、ベルギーのバヌーで少女マリエットの前に聖母が8回現れた。2回目の出現となった1月18日、マリエットが聖母に導かれ泉を発見し、この水を飲んだり浸した者の病気が治癒するという奇跡が多発した