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バイオミメティクスとは?わかりやすく5分で解説

バイオミメティクスとは、生物の持つ構造や機能を模倣し応用する技術のこと。生物模倣、バイオミミクリーともいう。

生物模倣の試みは古くから存在する。たとえば航空機発明以前の人類は、鳥を模倣し羽ばたいて飛ぼうとした。1990年頃から、電子顕微鏡ナノテクノロジーが発展し、生物の微細な構造の解明や再現が可能になった。主な事例を以下に示す。

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動物

フナクイムシ

1800年代初頭、フランスの技術者ブルネルが、掘り進んだ穴が塞がらないためにフナクイムシが分泌液でトンネルの壁を固める習性を模倣し、軟弱地盤でもトンネルを掘り進めることのできる工法(シールド工法)を開発した。

イカ

1934年、アメリカの神経生理学者シュミットが、イカの神経信号の伝達の仕組みを模倣し、ノイズ除去に利用できる電子回路(シュミットトリガ)を開発した。また彼は、バイオミメティクスの概念を生み出した。

1935年、化学メーカーのデュポンが、蚕の繭糸を模倣し化学繊維(ナイロン)を開発した。1964年、化学メーカーの東レが、蚕の繭糸の断面形状を模倣しシルク光沢を持つ素材(シルック)を開発した。

カミキリムシ

1947年、アメリカの発明家コックスが、カミキリムシ幼虫が顎を左右に動かし切り株を掘り進める習性を模倣し、チェーンソーの刃(ソーチェーン)を発明した。

1965年、繊維メーカーのクラレが、牛の革を模倣し人工皮革(クラリーノ)を開発した。

タツムリ

1991年、建材メーカーのINAXが、カタツムリの殻表面にある微細構造を模倣し、外壁やシンク、トイレの汚れ付着を防ぐ建材(マイクロガード等)を開発した。

1984年、繊維メーカーのクラレが、モルフォチョウの翅の発色を模倣し、染色することなく構造で発色する繊維(構造発色繊維デフォール)を開発した。

フクロウ

1997年、鉄道会社のJR西日本が、フクロウの羽根の突起形状(セレーション、またはボルテックスジェネレーター)を模倣し、風切り音を減らす500系新幹線のパンタグラフを開発した。

カワセミ

1997年、鉄道会社のJR西日本が、カワセミのくちばしを模倣しトンネル騒音(トンネルドン)を減らす500系新幹線の先頭車両を開発した。2004年、スポーツメーカーのデサントが、カワセミの羽根を模倣し水の抵抗を減らす水着(エールブルー)を開発した。

クジラ

2000年代、機械メーカーのホエールパワーが、ザトウクジラの胸ビレ前縁のこぶを模倣し、高効率の風力発電機用タービンブレードを開発した。

サメ

2000年、スポーツメーカーのミズノと水着メーカーのSPEEDOが、サメの皮膚にある微細構造(サメ肌、リブレット)を模倣し、水の抵抗を減らす水着(Fastskin)を共同開発した。

マグロ

2007年、塗料メーカーの日本ペイントマリンが、マグロの皮膚表面にある粘膜を模倣し、水の抵抗を減らす船底塗料(LF-Sea)を開発した。

カジキマグロ

2008年、スポーツメーカーのミズノが、カジキマグロの皮膚表面にある粘膜を模倣し、水の抵抗を減らす水着(WATERGENE)を開発した。

2012年、化学メーカーの三菱レイヨンが、光を反射せず隠れるために蛾の眼の表面にある微細構造を模倣し、反射や映り込みを防ぐフィルム(モスマイト)を開発した。

ヤモリ

2012年、化学メーカーの日東電工が、壁に貼りつくためにヤモリの指にある微細な毛を模倣し、温度変化に強く粘着力が強く簡単にはがせるテープ(ヤモリテープ)を開発した。

2012年、医療機器メーカーのライトニックスが、蚊の針を模倣し痛みの感じにくい採血針(ピンニックスライト)を開発した。

ネコ

2013年、電機メーカーのシャープが、ネコの舌の突起を模倣しゴミの圧縮性能を向上した掃除機(EC-VX500)を開発した。

クモ

2013年、バイオベンチャー企業のスパイバーが、クモの糸を模倣し高い強度と伸縮性を持つ糸(QMONOS)を開発した。

植物

1991年、スイスの化学者グレッツェルが、植物の光合成の原理を模倣し、光のエネルギーを色素を使った反応によって電気に変える電池(色素増感太陽電池)を発明した。

ゴボウ

1941年、スイスの電気技師メストラルが、服についていたゴボウの種を顕微鏡で調べ、種の先がフック状になっていることを発見した。1951年、彼は面ファスナー(マジックテープ)の特許を出願した。

1977年、ドイツの植物学者バルトロットが、蓮の葉表面の微細構造と分泌物により水滴をはじき、葉表面のゴミを洗い流す自浄機能(ロータス効果)を発見した。1983年、繊維メーカーの帝人が、高い撥水性を持つ織物(マイクロフトレクタス)を開発した。

カエデ

2010年、航空機メーカーのロッキードマーティンが、カエデの種を模倣し羽根が一枚の小型ドローン(Samarai)を開発した。