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自然選択説とは?わかりやすく5分で解説

自然選択説とは、イギリスの博物学ダーウィンとウォレスが提唱した生存競争を進化の原動力と考える進化論のこと

自然環境が個体の変異を選択することで、生存に有利な変異の保存と不利な変異の排除が繰り返され、生物が徐々に変化していくと考える。そこに生物の意思はない

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当時の宗教観

1802年、イギリスの神学者ペイリーは著書自然神学で、複雑な時計に設計者がいるように、複雑な生物にも必ず設計者がいると主張した。これをデザイン論という。彼の考えは、聖書によらず複雑な眼の構造等科学的事実から神の存在を説明し、広く浸透した。

進化論の着想

1831年、イギリスの博物学ダーウィンイギリス海軍の測量船ビーグル号に乗船することになった。彼は5年に渡る調査で、種は不変という考えに疑問を持つようになった

その後イギリスの地質学者ライエルの著書地質学原理から、地質現象は不変の法則で、長い時間をかけて連続的に作用するという斉一説を学び、イギリスの経済学者マルサスの著書人口論から、食糧不足により人口が制限されると学び、自然選択説を着想した。

1854年、イギリスの博物学者ウォレスはマレー諸島での探検を始め、8年に渡り12万5千以上の標本を集めた。もともと種が変化すると考えていた彼は、探検を通して考えを洗練させ自然選択説を着想した。 

種の起源の発表

1958年、ダーウィンはウォレスから手紙を受け取り、ウォレスが同じ発想に到達していることに気付いた。そこで自然選択説の共同論文を発表したが反響は少なかった。1859年、ダーウィンは著書種の起源自然選択説を体系化した。

彼は生物が共通祖先から進化したと主張したため、聖書の記述と異なるとされ多くの批判を受けた。

キリンの例

キリンの先祖の中にたまたま少し首の長い個体が生まれる。その個体は、高所の木の葉を食べることができ、天敵に早く気付けるため他の個体に比べ子孫を残せる確率が高い。これが子孫に遺伝し繰り返され、現代のキリンになったと考える。

自然選択説の証拠

初めて進化論を体系化したのはフランスの博物学者ラマルクだが、彼の提唱した用不用説は証拠や根拠に乏しく、激しい批判を受けた。ダーウィンは、多くの客観的事実から自然選択説を説明した。以下に自然選択説の証拠とされる例を示す。

警告色

有毒の生物に見られる派手な体色のこと。たまたま目立つ色をした個体が捕食者に襲われた際、毒を持つ個体と覚えられその後襲われにくくなることで、生存に有利だったと考える。

保護色

周囲の環境に溶け込む体色のこと。たまたま見つかりにくい色をした個体が生存に有利だったと考える。

擬態

生物が攻撃や防衛のため他の物に姿かたちを似せること。たまたま何かに似た姿の個体が被食者や捕食者をだませたことで、生存に有利だったと考える。

マデイラ島の甲虫

北大西洋マデイラ島に生息する甲虫の多くは飛ぶことができない。マデイラ島は強い風が吹く島で、飛べる甲虫は風に流され海に落ち死ぬことが多く、うまく飛べない甲虫の方が生存に有利だったと考える。このように自然選択説は進化と退化を区別しない

自然選択説の問題点

以下に自然選択説の問題点とダーウィンの反論を示す。

中間種の不在 

種が連続的に変化するならば先祖と子孫を結ぶ中間種がいるはず。しかし中くらいの長さの首を持つキリンの中間種は見つかっていない。これをミッシングリンクという。これに対し、中間種は生存競争に敗れ絶滅したが、生物が化石に残るのは稀と反論した。

その後の発掘調査により様々な生物で中間種の化石が見つかっている。

複雑な器官の存在

脊椎動物の眼(カメラ眼)はピント調整、光量調整、眼球保護等複雑な構成だが、そこに至るまでの不完全な眼が生存に有利とは思えない。これに対し、少しの明暗が分かるだけでも生存には有利と反論した。

性的二形と行き過ぎた進化の存在

生存に有利な変異のみが保存されるならば、雌雄の形質の相違(性的二形)は不自然。またクジャクの羽やマンモスの牙のように、行き過ぎた進化が生存に有利とは思えない。これに対し、異性から好まれるために起きた進化と反論した。これを性選択という。

遺伝のメカニズム

遺伝のメカニズムが説明されていない。これに対し、獲得形質が遺伝するというパンゲン説を唱え反論したが、実験により否定された。その後、チェコの司祭メンデルによって遺伝の仕組みが解明された。これをメンデルの法則という。

変異のメカニズム

変異のメカニズムが説明されていない。これに対しての反論はない。その後、オランダの植物学者ド・フリースによって突然変異が発見され、変異が突然変異によって起こると説明された。

ネオダーウィニズム

その後自然選択説は遺伝学等と結び付き欠点を補いながら発展した。これをネオダーウィニズムまたは統合説という。