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みずほ銀行システム統合とは?わかりやすく5分で解説

みずほ銀行システム統合とは、みずほ銀行経営統合発表から20年かかったシステム統合のこと

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背景

1990年代、バブル崩壊後の日本では、体力を失った銀行による経営統合や合併が盛んに行われた。1999年8月、第一勧業銀行(第一勧銀)、富士銀行(富士銀)、日本興業銀行(興銀)の3行が経営統合を発表した。

3行は第一勧銀が富士通製の勘定系システムSTEPS、富士銀が日本IBM製の勘定系システムTOP、興銀が日立製作所製の勘定系システムC-baseで運用していたため、システム統合が必要となった。勘定系システムとはお金の管理等を行う銀行の基幹システムのこと。

システム統合の発表

1999年12月、3行は1つのシステムを残し他行がそれに合わせる片寄せ方式にて、2002年4月に新設する個人や中小企業向けの銀行(みずほ銀行)をSTEPS、大企業向けの銀行(みずほコーポレート銀行)をC-baseとする方針を発表した。

しかし2000年12月、3行の主導権争いからシステム統合は難航し、暫定対策として3行のシステムを残したまま連結するリレーコンピュータ(RC)方式へ方針を転換した

2002年大規模システム障害

2002年4月1日、開業初日のみずほ銀行で大規模システム障害が発生した。これは、RCと通信するために修正した第一勧銀のシステムプログラムが誤っていたため。その結果、復旧までに約1か月かかり250万件の取引遅延と3万件の二重引落等が起きた

この時、連日連夜の復旧作業でSE1名が過労自殺している。2002年6月19日金融庁みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)に対し業務改善命令を発出し、再発防止策や責任の所在の明確化等を求めた。

みずほ銀行の片寄せ

2004年12月、みずほ銀行のSTEPSへの片寄せが完成した。これにより勘定系システムからTOPが無くなり、みずほ銀行のSTEPSとみずほコーポレート銀行のC-Baseが残った。費用は約4,000億円といわれる。

2011年大規模システム障害

2011年3月14日、みずほ銀行で大規模システム障害が発生した。これは、東日本大震災義捐金の大量振込により1口座の処理可能上限値を超えシステムがダウンしたため。その結果、復旧までに10日かかり100万件以上の取引遅延等が起きた

2011年5月31日、金融庁みずほ銀行に対し業務改善命令を発出し、システム戦略の見直しや責任の所在の明確化等を求めた。

開発の本格始動

2011年5月、みずほFGが2016年3月までにみずほ銀行みずほコーポレート銀行みずほ信託銀行のシステムを刷新、統合すると発表した。みずほ信託銀行日本IBM製の勘定系システムBESTで運用していたため、再び異なる3社のシステム統合が必要となった

2012年11月、システム開発富士通(流動性預金等)、日立製作所(外為等)、日本IBM(基盤の提供、信託等)、NTTデータ(外部接続等)の4社に分割発注することが明らかになった。勘定系システムの開発を分割発注することは極めて異例

なぜなら、各社が仕様を合わせることで自社の得意な環境で開発できない等の問題が起こるため。2013年7月、みずほ銀行みずほコーポレート銀行が合併し新みずほ銀行が誕生した。両社のシステムはRC方式で繋いだ。

開発の難航

2014年2月、みずほFGが2016年3月に予定していたシステム統合の9か月延期を発表した。2015年1月、ネット上にみずほ銀行のものと思われる求人が掲載され、統制の取れていない状態からのマネジメントやタフなメンタル等の要求スキルが話題になった。

2016年7月、ネット上にみずほ銀行システム開発の求人が掲載され、基本設計の見直し修正経験という要求スキルに、進捗を不安視する声が上がった。2016年11月、みずほFGが2016年12月に予定していたシステム統合の数か月の延期を発表した

このころからみずほ銀行のシステム統合は、ネット上でバベルの塔サグラダファミリアと呼ばれ始めた。

システム統合完了

2017年7月、みずほFGが新システムMINORIの完成を発表しテストを開始した。2018年2月、みずほFGはMINORIへのシステム移行作業を休日を利用し全9回に分けて実施すると発表した。2019年7月、MINORIが全面稼働しシステム統合が完了した

みずほ銀行システム統合は、2011年の開発本格化から完成までで開発工数35万人月費用4,600億円以上(2004年の片寄せ4,000億円は別)といわれる。開発工数とは、完成までに要する仕事量のこと。この場合35万人が1月かけて完成する量という意味。

ちなみに、2008年12月に完成した三菱東京UFJ銀行システム統合(片寄せ)は開発工数14万人月、費用3,300億円といわれる。