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犯罪心理学とは?わかりやすく5分で解説

犯罪心理学とは、犯罪や犯罪者の心理を研究する学問のこと

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犯罪心理学の分野

犯罪心理学が扱う主な分野を以下に示す。

犯罪原因論

犯罪の原因を研究する分野のこと。遺伝や栄養状態、幼少期の体験、親の教育等、犯罪の原因を個人に求める素質説と、経済的格差や生活環境等、犯罪の原因を社会に求める環境説がある。

捜査心理学

心理学を犯罪捜査支援に応用する分野のこと。実際に開発された手法として、犯罪の性質を過去の情報と照らし合わせることにより犯人を割り出すプロファイリングや、脳波、脈拍、皮膚電気活動等の生理現象を測定し証言の嘘を見抜くポリグラフ等がある。

裁判心理学

心理学を裁判の過程へ応用する分野のこと。自白や目撃証言の信憑性、被害者や加害者の印象、振る舞いが判決に及ぼす影響等を扱う。

矯正心理学

心理学を犯罪者や非行少年の更生支援に応用する分野のこと。犯罪者や非行少年の知能や性格の評価(アセスメント)、更生のための適切な処遇の検討やカウンセリング等を扱う。

歴史

科学的な犯罪研究のはじまり

1876年、イタリアの精神科医ロンブローゾが犯罪者と一般人の身体的、心理的特徴を比較し犯罪者は生物学的に退化していると主張した。さらに、このような人種は社会に馴染めず、必然的に犯罪者になるとした(生来性犯罪者説)。

この主張は後に否定されることになるが、彼以降、犯罪研究が客観的なデータに基づいて科学的に扱われるようになった。また彼は1895年、尋問中の容疑者の血圧と脈拍を測定し、ポリグラフの開発につながった。

遺伝の研究

1877年、アメリカの社会学者ダグテールが、ある刑務所に同じ血縁者が6人もいることに気づきその一族を調査、犯罪が貧困や遺伝と関係すると主張した。以降、犯罪と知能や染色体の関係、また一卵性双生児と二卵性双生児を比較する研究も行われている。

精神分析の誕生

19世紀後半、オーストリア精神科医フロイト精神分析を創始した。精神分析とは、人間の潜在意識(無意識)を読み解くことで心理の理解や治療に役立てる学問のこと。彼は、幼少期の体験が人格形成に影響を与え精神障害や犯罪をまねくと主張した

以降、幼少期の体験による影響の研究が行われている。

犯罪者の類型化

1921年、ドイツの精神科医クレッチマーが人間の性格と体型を犯罪に結びつけ分類した。彼は細身型は非社交的で窃盗犯が多く、肥満型は社交的で詐欺犯が多く、闘士型はしつこく暴力犯が多く、それ以外の発育異常型は反道徳的で性犯罪が多いと主張した。

その後、アメリカの心理学者シェルドンやドイツの精神科医ゼーリッヒもそれぞれ様々な犯罪者の類型化を行った。こうした類型化の研究は、プロファイリングの開発につながった。

裁判への活用

1923年、アメリカの刑事裁判で弁護士が初めてポリグラフ検査の提案をしたが、却下された。この時、新しい科学鑑定の証拠採用は多くの専門家がその有効性を認めているものに限るという基準が生まれた(フライ基準)。

ポリグラフ検査の証拠採用は、基本的に欧米では認められていないが、日本では1968年、最高裁が一定の条件を満たせば認めるとした。

目撃証言の研究

1979年、アメリカの心理学者ロフタスが、誤った情報を与えられると目撃した記憶が改ざんされる事を実験で明らかにした(事後情報効果)。1988年、イスラエル社会学者ラトナーが、アメリカの冤罪事件の約半数が誤った目撃証言によるものと発表した。

犯罪者プロファイリング

犯罪者プロファイリングとは、犯行の性質から犯人の推測を行うというもの。1970年代、アメリカFBIのマラニーとテットンが急増する連続殺人事件の捜査のため、FBI方式プロファイリングを開発した。

FBI方式は、過去の事件記録等をもとに犯行の性質から犯人の特徴を秩序型と無秩序型の大きく2つに分類した。これにより犯人が既婚/独身、外交的/内向的等を推測できた。しかし、分類が難しい事件については結局捜査員の経験や勘を頼りに推定していた

1980年代、イギリスの心理学者カンターがリバプール方式プロファイリングを開発した。リバプール方式はFBI方式に比べより統計的に犯人を推定した。これは過去の事件記録での凶器の種類や遺体の状態等の情報と犯人の特徴の相関データを用いた。

地理的プロファイリング

1990年代、カンターらが地理的プロファイリングを開発した。これは、犯行現場の地点から犯人の居住地や犯行予測等地理的な推測を行うというもの。たとえば、一番離れた犯行現場同士を線で結んだ直径の中に犯人の居住地がある可能性が高い(円仮説)。