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国鉄三大ミステリーとは?わかりやすく5分で解説

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国鉄三大ミステリーとは、連合国軍占領下の日本で起きた国鉄に関係する3つの不可解な事件のこと

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背景

1945年、第二次世界大戦後の日本は連合国軍の占領下に置かれた。連合国軍最高司令部(GHQ)は日本の民主化を推進し、その中で共産党が合法化された。これにより共産党が勢力を拡大し、公務員や民間企業に党員が増え労働運動が活発化した。

1949年、中国大陸で中国共産党が優性となると、アジアの共産化を恐れたGHQは対日占領政策民主化から共産党弾圧へ転換した(逆コース)。6月1日、行政整理のために定員法が施行され、共産党員を含む官公職員28万5千人が解雇を迫られた

これに対し9万5千人が解雇対象となった国鉄では、労働組合ストライキを起こし反発した。その後7、8月に国鉄で3つの事件が発生した。これらは解雇に反対した者が起こしたとされたが、GHQ等が世論を味方につけるために仕組んだという説もある。

下山事件

1949年7月5日、国鉄総裁の下山定則が失踪し翌6日未明に常磐線の線路上で轢死体となって発見された。下山の行動や遺体の状態等に不可解な点が多かったが、翌年事実上捜査が打ち切られた。1964年、公訴時効が成立した。

失踪前の行動

7月5日朝、下山はいつもどおり総裁専用車で自宅を出ると、 三越に行くよう運転手に言った。途中白木屋に目的地を変更したが、到着した際にまだ開店前だったため再び三越に向かった。しかし三越も開店前だったため国鉄本社に向かうことになった。

その途中で神田駅に目的地を変更したが、到着しても車からは降りず再び国鉄本社に向かった。すると今度は三菱銀行に行くよう指示し、そこでお金を引き出した。次に開店した三越に向かい、運転手に5分ほどで戻ると言いそのまま失踪した。

失踪後の目撃証言

三越店内では4人連れで目撃されている。その後は浅草駅と五反野駅で目撃談があり、五反野駅では駅員に近くの宿をたずね、駅員は末広旅館を紹介した。この時男は切符を買っていたが、下山には優待パスがあり切符は不要なため疑問が残る。

末広旅館には14時から17時半まで滞在した。その間男はタバコを吸っていないが、下山はヘビースモーカーのためここでも疑問が残る。その後18時から23時まで東武線と常磐線の交差部付近で目撃談がある。これら不自然な行動から男は替え玉という説がある

自殺か他殺か

検視の結果、下山が生きたまま轢かれた(生体轢断)か、死後に轢かれた(死後轢断)か法医学者で意見が分かれた。そのため捜査一課は自殺、捜査二課は他殺を主張した。自殺の根拠としては、下山が大量解雇に悩み神経衰弱症と診断されていた点等がある。

他殺の根拠としては、前述の替え玉疑惑、轢断による出血が少ない点、いつも靴紐を固く結ぶ下山の靴が脱げて破れているのに足が無傷な点、遺留品からメガネとタバコが見つからない点、国鉄マンが鉄道で自殺するはずないという意見等がある。

他殺説には、出血が少ないのは当日の雨のため、死後轢断で見られる反応は生体轢断でも起こりうる等の反論がある。また、暴行のうえ死後轢断と鑑定した法医学者の古畑種基は、関わった複数の事件で冤罪が発覚しその信憑性に疑問が持たれている。

三鷹事件

1949年7月15日午後8時23分、東京三鷹電車区から無人列車が暴走し脱線転覆、多数の死傷者を出した。その後元運転士の竹内景助と共産党員10名が逮捕され、裁判で竹内のみ有罪(死刑)となった。しかしいくつか疑問点があり冤罪が疑われている

犯行内容

判決では、竹内はまっすぐ先頭車両に向かい、拾った針金で運転台のハンドルを解錠し、バネで戻るハンドルを片手で押さえながら、もう一方の手で紙紐を使ってハンドルを固定、先頭車両のパンタグラフを上げ発車と共に飛び降りたとしている。

疑問点

疑問点として、針金での解錠が未検証な点、竹内が知らないはずの特殊な結び方(コイル巻き)でハンドルが固定されていた点、コイル巻きが片手で困難な点、2両目のパンタグラフが上がっていた証言、最後尾車両のブレーキが緩められていた点等がある。

松川事件

1949年8月17日午前2時9分、福島県東北本線のレールが外され走行中の列車が脱線転覆、多数の死傷者を出した。その後国鉄東芝労働組合員等20名が逮捕されたが、裁判で全員無罪となった。1964年、公訴時効が成立した。

犯行内容

犯人は深夜にレールの固定具を外し、長さ25m重さ約1tのレール1本を外した。裁判では検察による証拠品の捏造(提出された自在スパナは固定具の取り外しに適さずかつ使用跡がなかった)や、アリバイ証拠の隠蔽(被告の無実の証拠を隠した)が発覚した。

不審な点

不審な点として、事故前に現場を通過予定だった貨物列車が突然運休している点、犯行の数ヶ月後に目撃者が不審死している点等がある。