なにかの知識

なにかの知識

5分で学べる無駄知識

色彩調和論とは?わかりやすく5分で解説

色彩調和論とは、色の組み合わせの理論のこと

f:id:gmaj7dmaj7gmaj7dmaj7:20190615212249j:plain

背景

紀元前6世紀、古代ギリシアの数学者ピタゴラスが、心地良い音の組み合わせ(調和)が単純な数比で表せることを発見した。彼は万物の根源を数だと考え、音の調和を神秘的なものと捉えた。

1704年、 イギリスの科学者ニュートンが著書光学で光のスペクトルを赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色に分けた。7色とした理由は、西洋音楽ドリア旋法の音階(レミファソラシドレ)の各音の間に色を対応させたためで、虹を7色で扱うきっかけとなった。

当時、色は光と闇で作られるとされていたが、彼は色が光のみで作られることをプリズム実験により証明した。また、彼は色を円環に配置した図(色相環)を発明した。本記事トップ画像も色相環の1種で、それぞれ反対側の色を補色と呼ぶ。

1810年、ドイツの詩人ゲーテが著書色彩論で、ニュートンの色に対する科学的なアプローチを批判し色を心理的に扱った。彼は、ある色を見続けた後にその補色が知覚される現象(補色残像)を取り上げ、補色同士は引かれ合うと説いた

但し、補色等の関係は色の表現方法によって異なる。RYBでの赤の補色は緑、RGBでの赤の補色はシアンとなる。

シュヴルールの色彩調和論

1839年、フランスの化学者シュヴルールが、著書色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色についてで、色やトーン(明度と彩度を組み合わせたもの)の調和の関係を2つの法則にまとめた。

類似の調和

類似の調和とは、色やトーンが似ているもの同士は調和するという法則のこと。たとえばマスターカードのロゴは、赤と橙の円で類似の調和となる。色の類似をドミナントカラー、トーンの類似をドミナントトーンという。

対比の調和

対比の調和とは、色やトーンが反対なもの同士は調和するという法則のこと。たとえば
バングラデシュの国旗は緑と赤で対比の調和となる。

ルードの色彩調和論

1879年、アメリカの自然科学者ルードが、著書現代色彩学で自然界に見られる配色は調和すると唱えた(ナチュラルハーモニー)。自然界では、木の葉の緑は日向の部分が明るく黄みがかり、日陰の部分が暗く青みがかって見える。

たとえば三井住友銀行のロゴは、黄緑部が明るく緑部が暗いナチュラルハーモニーとなる

オストワルトの色彩調和論

1918年、ドイツの化学者オストワルトが調和は秩序に等しいと唱え、純色、白色、黒色の混合比を定め色を作り体系化した(オストワルトシステム)。彼はこのシステム上で、同じ混合比や規則的な位置関係の色同士は調和するとした

ドアの色彩調和論

1923年、アメリカの芸術家ドアが、色を黄みがかった色(イエローアンダートーン)と青みがかった色(ブルーアンダートーン)のグループに分け、グループ内でまとめた配色は調和するとした。

ビレンの色彩調和論

アメリカの作家ビレンが、色を暖色(ウォームシェード)と寒色(クールシェード)のグループに分け、グループ内でまとめた配色は調和するとした。

ムーンとスペンサーの色彩調和論

1944年、アメリカの電気技師ムーンとイギリスの数学者スペンサー夫妻が3本の論文を発表した。彼らは色を同等・類似・対比の調和とそれ以外の不調和に分類、数値化し、バランスの良い面積比の計算法や調和具合(美度)の方程式を提案した。

不調和には、色の差があいまいな状態(不明瞭)や色の差が激しすぎる状態(グレア)等がある。反対に、はっきりした2色(ビコロール)や3色(トリコロール)等の関係は調和するとした。たとえばフランスの国旗は青、白、赤のトリコロールとなる。 

イッテンの色彩調和論

1961年、スイスの芸術家イッテンが著書色彩の芸術で、色相環上で幾何学的な位置関係にある色同士は調和すると唱えた色相環上を三角形で結んだ3色(トライアド)、四角形で結んだ4色(テトラード)等がこれにあたる。

たとえばルーマニアの国旗は青、黄、赤のトライアドとなる。

ジャッドの色彩調和論

1955年、アメリカの物理学者ジャッドが論文4つの色彩調和論で、先人の色彩調和論を4つの原理にまとめた。

秩序の原理

秩序の原理とは、規則性のある配色は調和するという原理のこと。オストワルトの理論や、時期は前後するがイッテンの理論(トライアド等)がこれにあたる。

類似性の原理

類似性の原理とは、似た性質の色同士は調和するという原理のこと。シュヴルールの理論(ドミナントカラー等)やドアの理論(イエローアンダートーンとブルーアンダートーン)、ビレンの理論(暖色と寒色)がこれにあたる。

明瞭性の原理

明瞭性の原理とは、はっきりした配色は調和するという原理のこと。ムーンとスペンサーの理論(トリコロール等)がこれにあたる。

なじみの原理

なじみの原理とは、見慣れた配色は調和するという原理のこと。ルードの理論(ナチュラルハーモニー)がこれにあたる。