なにかの知識

なにかの知識

5分で学べる無駄知識

商標権侵害とは?わかりやすく5分で解説

移転しました。

約5秒後に自動的にリダイレクトします。

 

商標権侵害とは、非権利者が権利者に無断で事業として登録商標を使用する行為のこと

f:id:gmaj7dmaj7gmaj7dmaj7:20200416223722j:plain

商標とは

商標とは、事業で取り扱う商品やサービスを識別するためのマーク(標章)のこと。たとえばブランド名等の文字、企業ロゴ等の図形や記号、CMのサウンドロゴ等の音、商品等のデザインや色、立体的形状がこれにあたる。

商標権とは

商標権とは、その商標を一定期間独占できる権利のこと。これには、商標を保護することで事業の信用を維持し、需要者の利益の保護を図る狙いがある。商標は特許庁に登録することで登録商標となり、権利者に商標権が発生し10年間保護される(延長も可能)。

商標の登録には、それを何の商品やサービス(役務)に使用するか指定する必要がある。この時、一般的なものや他と区別できない紛らわしいものは登録できない。たとえば、アップルは指定商品りんごでは登録できない。但し、電子計算機としては登録されている。

商標権侵害の判断

基本的には商標が同一か類似、かつ指定商品/役務が同一か類似の時に商標権侵害となる。商標は読み方(称呼)、見た目(外観)、意味合い(観念)に着目し、指定商品/役務は単純に似ているかどうかを見る。この時、一方だけが似ていても商標権侵害とならない。

但し、たとえばアップルの部外者が商標「アップル銀行」、指定役務「金融」で登録するとアップルの関連会社と勘違いされる可能性がある。このように誤認や混同されるおそれのある場合は商標権侵害となる

その他、商標登録前の使用と需要者に広く認識されていること(周知性)が要件となる先使用権の有無や損害発生の有無等が争点となることもある。

主な手続

商標権紛争の主な手続を以下に示す。

商標権侵害訴訟

商標権侵害の救済を裁判所に求める裁判のこと。一審の地裁の判決に不服のある場合は高裁へ控訴、最高裁へ上告もできる。

無効審判

商標の利害関係者が、他者の商標の無効を特許庁に求める審判のこと。

不使用取消審判

三者が3年以上使用されてない商標の取消を特許庁に求める審判のこと。

審決取消訴訟

特許庁の判断した審決の取消を裁判所に求める裁判のこと。

訴訟事例

小僧寿し事件

1992年、入船がサニーフーヅに対し商標権侵害訴訟を起こした。争点は、入船の持つ「小僧」の登録商標と、サニーフーヅの使用している「小僧寿し」「KOZO」等の商標が類似しているか、また類似していたとして損害が発生するかという点。

1997年、最高裁は「KOZO」の商標のみ侵害を認めたものの、商標の使用が売り上げに影響を与えていないとして損害賠償なしと判断した。

東京メトロ事件

2005年、東京地下鉄が「東京メトロ(指定商品:新聞・雑誌)」の不使用取消審判請求を行った。争点は、商標権者の発行したフリーペーパー「とうきょうメトロ」が事業で取り扱う商品と言えるかという点。商品と認められれば不使用取消審判は無効となる。

商標権者は無償配布でも広告収入があるため商品だと主張した。これに対し、特許庁が「東京メトロ」を無効と判断したことで、商標権者が審決取消訴訟を行った。2007年、高裁はフリーペーパーも商品だと判断し審決取消を認めた。

チュッパチャプス事件

2009年、チュッパチャップスの権利会社が楽天に対し商標権侵害訴訟を起こした。争点は、ネットモール楽天市場で販売されている商標権侵害の商品(商標を無断使用した帽子等)について、出店者ではなく運営者の楽天に商標権侵害の責任が生じるかという点。

2012年、高裁は運営者が侵害を認識しているにもかかわらず放置した場合は、運営者に責任が生じるとした。

面白い恋人事件

2011年、石屋製菓吉本興業等に対し商標権侵害訴訟を起こした。争点は、吉本興業登録商標面白い恋人」と、石屋製菓登録商標白い恋人」が類似しているかという点。2013年、面白い恋人の図柄変更と販売地域の限定によって和解が成立した。

フランク三浦事件

2015年、フランクミュラーが「フランク三浦(浦の右上に点なし)」の無効審判請求を行った。争点は、フランクミュラー登録商標「フランクミューラー」と、ディンクスの登録商標「フランク三浦(浦の右上に点なし)」が類似しているかという点。

これに対し、特許庁が「フランク三浦」を無効と判断したことでディンクスが審決取消訴訟を行った。2017年、高裁は外観や観念、価格帯が異なり商品を混同する恐れもないと判断し審決取消を認めた。

かに道楽事件

2016年、かに道楽がヤマサちくわに対し商標権侵害訴訟を起こした。争点は、ヤマサちくわが販売するかまぼこ「かに道楽」に先使用権があるかという点。ヤマサちくわは、商標登録よりも先に販売し周知性もあると主張した。

2017年、同名商品の販売停止によって和解が成立した。