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カンブリア爆発とは?わかりやすく5分で解説

カンブリア爆発とは、古生代カンブリア紀に起きたとされる生物の爆発的進化のこと

この現象によって、今日みられるほとんどの動物門が突然出揃ったと考えられている。動物門とは生物分類の階級のことで、たとえばヒトは動物界、脊索動物門、哺乳綱、霊長目、ヒト科、ヒト属に分類される。

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バージェス動物群の研究

1909年、アメリカの古生物学者ウォルコットが、カナダの地層バージェス頁岩からカンブリア紀の化石群(バージェス動物群)を発見した。1960年代、イギリスの古生物学者ウィッチントンが研究を進め、現生の動物とかけ離れたデザインに注目が集まった。

1989年、アメリカの古生物学者グールドが、バージェス動物群を紹介した著書ワンダフルライフを発表した。彼は古生物が原始的で単純とは限らないとし、また5億4200万年前からの数1000万年で現生動物門が突然揃った(カンブリア爆発が起きた)と主張した。

一方イギリスの古生物学者フォーティは、大型や硬い外骨格といった化石に残りやすい生物がカンブリア紀に登場しただけで、生物の多様性はそれ以前から緩やかに起きていたとした。それでも、1億年に満たない期間で急激な進化が起きていることになる。

カンブリア紀の代表的な動物

カンブリア紀の動物の特徴として、ユニークなデザイン大型硬い外骨格眼の獲得等があげられる。カンブリア紀の代表的な動物を以下に示す。

三葉虫

カブトガニのような外骨格、1対の触覚、1対の複眼(ない種もいる)が特徴。最古の節足動物といわれ1万種以上存在したといわれる。名前の由来は左、中、右と三葉に身体が分けられるため。最初に眼を獲得した生物といわれる。

アノマロカリス

エビの胴体に似た2本の触手、円形の口、1対の複眼、左右に伸びた13対のひれが特徴。初め触手と口が別々に見つかり違う生物と思われていたが、後に完全な化石が発見され修正された。全長2mのカンブリア紀最大の生物。名前は奇妙なエビという意味。

オパビニア

象の鼻のように伸び先端がはさみ状の1本の触手、5つの眼、左右に伸びたひれが特徴。ウィッチントンが学会で発表した際、その独特なデザインに会場が笑いに包まれた。名前は発見場所の地名からとられた。本記事のトップ画像はオパビニアの化石。

ハルキゲニア

細い胴体を持ち、背中側に伸びた1対ずつ並んだ複数の長いトゲ、腹側に伸びた爪を持つ複数の長い脚が特徴。初めの復元図は現在のものから上下前後が反転していたが、爪の発見により上下が確定、眼の発見により前後が確定した。名前は幻という意味。

ネクトカリス

移動時に水を噴出する漏斗を持つイカの様な胴体、1対の触手が特徴。初め化石が1つしかなく復元図はエビの頭と魚の胴体となっていたが、その後新たに発見された化石によって修正された。名前は泳ぐエビという意味。最古の頭足類といわれる。

ミロクンミンギア

脊索を持ち魚に似た外観が特徴。 バージェス動物群よりも古い年代までカバーする中国のカンブリア紀の化石群(澄江動物群)から発見された。最古の魚類とされ脊椎動物共通の祖先といわれる。同じく最古の魚類として、ハイコウイクチスという動物もいる。

カンブリア爆発の原因

カンブリア爆発の原因はいまだ明らかになっていないが、様々な仮説が唱えられている。これら仮説が複合して起きた可能性もある。以下に主な仮説を示す。

環境変化説(仮称)

環境変化説とは、地球環境の変化がきっかけでカンブリア爆発が起こったという説のこと。1992年、アメリカの地質学者カーシュビンクがスノーボールアース(全球凍結)仮説を唱えた。これはかつて気候変動により地球全体が氷に覆われていたという説のこと。

全球凍結が火山活動等により維持できなくなると、地球が一気に温暖化する。その際栄養を含んだ氷が海に溶け、植物は大量の酸素を放出しオゾンもできた。これら栄養増加、酸素濃度上昇、オゾン層形成がカンブリア爆発を引き起こしたとする説がある。

また、世界中でカンブリア紀以前の地層の欠損が確認されている。これを大不整合というが、氷河で地層が削られ栄養が海に流れたためという説がある。その他、この時期に地磁気が弱まり、多く降り注いだ放射線が遺伝子に変異をもたらしたとする説もある。

光スイッチ説

光スイッチ説とは、眼の獲得がきっかけでカンブリア爆発が起こったという説のこと。1998年、イギリスの動物学者パーカーが提唱した。捕食者が眼を獲得すると、被食者が対抗して眼を獲得し早く逃げたり、硬い外骨格を持つように進化する。

すると捕食者がさらに精度のよい眼や強いあごを獲得するというように、動物間のイタチごっこカンブリア爆発の原動力になったと考える。このように、ある適応(眼の獲得)とそれに対抗する適応(硬い外骨格等)が互いに起こる働きを進化的軍拡競争という