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行動主義心理学とは?わかりやすく5分で解説

行動主義心理学とは、アメリカの心理学者ワトソンが創始した、心理学を行動から研究する学派のこと

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背景

19世紀後半から20世紀初頭、イギリスの心理学者ティチナーが構成主義心理学を確立した。構成主義心理学とは、心(意識)を単純な構成要素から解明する立場のこと。これに対し20世紀前半、アメリカの心理学者ジェームズらが機能主義心理学を確立した。

機能主義心理学とは、進化論を背景に心を記憶や注意といった機能から解明する立場のこと。構成主義心理学は心の構造に着目するのに対し、機能主義心理学は心の存在理由に着目する。両者は実験にしばしば被験者の報告を必要とした。

報告は主観的な性質を持つため科学的な分析に向かず、また言語を扱えない幼児やある種の障がい者、動物等に適用することもできなかった。

動物心理学の勃興

猫の問題箱

1898年、アメリカの心理学者ソーンダイクが、試行錯誤学習の実験を行った。試行錯誤学習とは、試行の繰り返しで問題解決時間が減少する現象のこと。彼は、紐を引くと扉が開く箱に猫を入れ、箱外の餌をとる時間を試行の繰り返しにより減少させた。

パブロフの犬

1903年、ロシアの生理学者パブロフが条件反射を発見した。条件反射とは、特定の反応を起こす刺激と同時に無関係な刺激を与え続けると、やがて無関係な刺激で特定の反応が起こる現象のこと。彼は犬に餌とブザー音を与え続け、ブザー音で唾液を出させた。

行動主義心理学の誕生

1912年、アメリカの心理学者ワトソンがパブロフの実験に影響を受け、行動主義心理学を創始した。行動主義心理学とは、心を客観的に観測できる行動から解明する立場のこと。彼は、特定の刺激(S)には特定の反応(R)が結びつくと考えた(S-R理論)。

1920年、ワトソンが生後11ヶ月の幼児アルバートに対し恐怖条件づけ実験を行った。実験では、幼児がネズミに触ろうとした時に、幼児が怖がるほど大きい音を鳴らした。これにより、幼児はネズミを見ただけで怖がり泣き出すようになった。

ワトソンは、行動が先天的でなく後天的な影響を強く受けると考えた。これを環境主義という。しかし、内的要因(心の影響等)を無視し行動のすべてを刺激と反応の因果関係で説明するS-R理論は、同一の刺激から異なる反応が起こる現象を説明できなかった

行動主義心理学の登場

1927年、アメリカの物理学者ブリッジマンが、著書現代物理学の論理で操作主義を唱えた。操作主義とは、曖昧な概念の定義を具体的な観測方法によって与えるという考えのこと。たとえば安静は、脳波におけるα波の割合が高い状態と定義できる(操作的定義)。

これにより、内的要因が科学的な観測を用いて客観的に扱えるようになった。こうした考えをもとに1930年代、アメリカの心理学者トールマン、ハル、スキナーらによって新行動主義心理学が誕生した。

トールマンとハルは、刺激(S)と反応(R)の結びつきに内的要因を表す有機体(O)が影響を与えると考えた(S-O-R理論)。この考えは、1960年代以降に起きた感覚や知覚、認知を扱う学問、認知心理学の成立につながった。

スキナーの徹底的行動主義

1938年、スキナーが著書生体の行動でパブロフの条件反射を古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)、ソーンダイクの試行錯誤学習をオペラント条件づけ(道具的条件づけ)として区別し再定式化した。彼は行動が2種類の条件づけで形成・制御されるとした。

これは、行動の原因が環境によるという考えに基づく(徹底的行動主義)。徹底的行動主義では、内的要因をS-O-R理論のように分離せず行動の一部として扱う。また彼は20世紀で最も影響力のある心理学者といわれる。

古典的条件づけ

唾液やまばたき等の生得的な反射と結びつく、条件反射によって受動的な行動を学習すること。 たとえば、催吐剤を飲ませタバコの臭いをかがせ続けると、タバコの臭いで吐き気を催し禁煙できるようになる(嫌悪療法)。

オペラント条件づけ

餌や電気ショック等の報酬や罰によって能動的な行動を学習すること。その方法について試行錯誤学習との違いは、実験者が猫を箱に戻すといった介入を必要とせず連続で行えること。オペラント条件づけの研究に用いる実験装置としてスキナー箱がある。

スキナー箱は、レバーを押すと餌(報酬)がでる仕掛けになっている。スキナー箱の中に空腹のネズミを入れると、初めは仕掛けに気づかないが、そのうち偶然レバーに触れ餌を得る。これが繰り返され最終的にネズミは能動的にレバーを引くようになる。

この時、レバーを引く頻度を高めるための餌を好子(低める場合は嫌子)、頻度の高まりを強化(低まりの場合は弱化)という。つまり、ネズミの行動は満足感等の内的要因ではなく環境による強化/弱化で説明できる。この行動の仕組みを強化の随伴性という。