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資本論とは?わかりやすく5分で解説

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資本論とは、ドイツの経済学者マルクスが発表した資本主義経済を分析した著書のこと

資本主義社会では一部の資本家に富が集中し貧富の格差が生まれるとし、将来的に資本主義が成熟すると、労働者の不満が爆発し社会主義に移行すると説く。

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背景

19世紀のヨーロッパでは、資本主義体制によって長時間労働や恐慌といった問題が発生していた。ドイツの経済学者マルクスは、資本家の息子であるエンゲルスの助けを借り資本主義の仕組みを批判的に分析した本、資本論を発表する。以下にその内容を示す。

資本主義における商品

資本主義社会ではあらゆる物が商品になり、商品の集まりが富となる。そのため富の最小単位を商品と考える。

商品の性質

商品には2つの性質がある。

使用価値

使用して役に立つ価値のこと。たとえば水は、のどの渇きを防ぐという意味でダイヤモンドに比べ使用価値が高い。

交換価値

他の商品と一定の比率で交換できる価値のこと。たとえばダイヤモンドは、のどの渇きを防ぐことはできないが、沢山の水と交換できるため同量の水に比べ交換価値が高い。交換価値が等しい商品同士は交換できる。これを等価交換という。 

貨幣の性質

貨幣には2つの性質がある。

単なる貨幣としての貨幣

商品の交換を仲介する貨幣のこと。商品をW、貨幣をGとすると、商品を売る→貨幣を得る→新たな商品と交換するというW-G-Wの流通形態をとる。

資本としての貨幣

より多くの貨幣を生みだす貨幣のこと。貨幣を売る→商品を得る→より多くの貨幣と交換するというG-W-G'の流通形態をとる。

資本

資本とは自己増殖する価値のこと。そのため資本としての貨幣は、新たな貨幣を生む。このG-W-G'を意識的に行う人が資本家と呼ばれる。資本家は手持ちの貨幣で工場を建て、労働者を雇い、商品を生産、販売することで手持ちの貨幣を増やす。

交換価値の正体

19世紀、交換価値の正体を商品に費やした労働の量とする考えがあった(労働価値説)。説に従えば、資本家と労働者の間では賃金と労働が等価交換されるはず。しかし実際は、資本家に富が集中していた。

資本論では、 賃金と等価交換されているのは労働でなく労働力と説明する。たとえばネジを作る場合、賃金は労働者のネジの出来高(労働)に対してではなく、労働者のネジを作る能力(労働力)に対して支払われると考える。

資本主義社会では、労働力も商品となる。労働力の交換価値は、労働者が引き続き働くために必要な費用(生活費)。 労働者は自分の労働力を資本家に売り、代わりに賃金(生活費)を得る。

労働力商品の特殊性

一般的な商品、たとえば水は使用する(飲む)とその分価値が無くなる。しかし労働力には、使用する(労働させる)ことで新たな価値を生む特殊性がある。資本家は、この労働力商品の特殊性を利用する。

格差が生まれる理由

賃金は、仕事の成果(労働)に対して支払われるものではない。どれだけ働いても賃金は一定。そのため資本家は、労働者を低賃金で長時間働かせようとする。なぜなら、労働者が賃金以上働いた分が資本家の利益となるため。

この資本家の利益を剰余価値剰余価値を得る行為を搾取という。この搾取によって資本家と労働者の間に富の格差が生まれる

資本主義の未来

競争により利益を独占する大資本家が生まれる→労働者はますます貧困に苦しむ→労働者が団結し反逆が起こる→資本家の資本(私有財産)が没収されるという、資本主義崩壊の未来を予言している。

余談

マルクスの影響

ロシアでは、マルクスの思想をベースに社会主義革命が起こり、ソ連が誕生した。しかし資本主義が成熟していないのにも拘らず改革を進めたため、失敗したと言われている。

マルクス記念碑の頭像率

マルクスの記念碑(墓含む)は、なぜか顔メインが多い。有名な記念碑はイタリア、イギリス、ドイツに存在するが、ドイツ版は顔の高さだけで7.1mある。ちなみにイギリス版は、過去に爆破未遂にあっている。敵も味方も多い。