変わり兜とは?わかりやすく5分で解説
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変わり兜とは、室町時代から江戸時代にかけて流行したユニークな兜のこと。
デザインのモチーフには動植物や様々な信仰等が用いられている。簡単に言うと、武将が好きなものを乗せた兜のこと。以下にその種類と採用理由説を示す。
虫系
トンボの兜
トンボは前にしか進まず退かないことから、縁起の良い生き物として勝虫と呼ばれた。ちなみに西洋では悪魔的で不吉な生き物とされる。
毛虫の兜
毛虫は前にしか進まず退かないことから、また葉(刃)を食べるという習性から。伊達成実の兜が有名。
ムカデの兜
ムカデは前にしか進まず退かないことから、また毘沙門天の使いとされていたことから。
動物系
サザエの兜
鉄壁の堅さ、また漢字「栄螺」に栄が含まれ縁起が良いことから。
割ったハマグリの兜
堅いハマグリを割っていることから、難攻不落を突破するという意味を込めて。
ナマズの兜
ナマズは地震を起こすとされ、その巨大な力にあやかって。蒲生氏郷、前田利家の兜が有名。
ウサギの兜
ウサギは敏捷性に優れ、月の使者でツキを呼ぶ生き物とされていたことから。そのためよく月とあわせてデザインされている。上杉謙信の兜が有名。
シカの兜
シカは神の使いと言われていたことから。本多忠勝、真田幸村の兜が有名。
植物系
ショウブの兜
ショウブは邪気を祓うと言われてたことから、また尚武(武を尊ぶ)、勝負とかけている。豊臣秀吉の兜が有名。
シダの兜
シダは長寿と子孫繁栄の象徴だったことから。徳川家康の兜が有名。
信仰系
六文銭の兜
三途の川の渡し賃ということから決死の覚悟を表したもの。真田幸村の兜が有名。
金剛杵の兜
金剛力士等が持っている煩悩を打ち砕くという武器。
三鈷剣の兜
不動明王が持っている煩悩を祓うという武器。榊原康政の兜が有名。
愛の兜
戦いの神である愛宕権現、または煩悩を悟りに変える仏である愛染明王の頭文字から。直江兼続の兜が有名。
瑞雲の兜
仏教等で縁起の良い雲と言われていたことから。上杉景勝、直江兼続の兜が有名。
宝珠の兜
仏教等でどんな願いでも叶うという珠。仙石秀久の兜が有名。
自然系
月の兜
月は満ち欠けを繰り返し不死の象徴とされていたことから。伊達正宗の兜が有名。ちなみに伊達正宗の甲冑はダースベイダーのモデルとなったといわれる。
富士山の兜
不死とかけているから、またご神体として信仰されていたから。武田勝頼、加藤嘉明の兜が有名。ちなみに加藤嘉明の兜は富士山というよりはイカ。
一の谷の兜
源義経の一の谷の戦いの活躍にあやかって。竹中半兵衛から福島正則を経由し黒田長政に渡った兜が有名。
道具系
釘の兜
堅いものでも貫くという意味が込められている。徳川家康の兜が有名。
お椀(合子)の兜
敵を飲み干すという意味が込められている。黒田官兵衛の兜が有名。
まとめ
モチーフ | 理由 | 主な武将 |
トンボ | 前進あるのみ | 前田利家 |
毛虫 | 前進あるのみ | 伊達成実 |
ムカデ | 前進あるのみ、毘沙門天の使い | 不明 |
サザエ | 鉄壁、縁起の良い字 | 不明 |
割ったハマグリ | 難攻不落を突破する | 不明 |
ナマズ | 巨大な力 | 蒲生氏郷 |
ウサギ | 敏捷性、月の使い | 上杉謙信 |
シカ | 神の使い | 本多忠勝 |
ショウブ | 尚武(武を尊ぶ)、勝負とかけて | 豊臣秀吉 |
シダ | 子孫繁栄 | 徳川家康 |
六文銭 | 決死の覚悟 | 真田幸村 |
金剛杵 | 煩悩を打ち砕く | 不明 |
三鈷剣 | 煩悩を祓う | 榊原康政 |
愛 | 愛宕権現、愛染明王信仰 | 直江兼続 |
瑞雲 | 縁起の良い雲 | 上杉景勝 |
宝珠 | どんな願いでも叶う | 仙石秀久 |
月 | 不死の象徴 | 伊達正宗 |
富士山 | 富士信仰、不死とかけて | 武田勝頼 |
一の谷 | 一の谷の戦いの活躍にあやかって | 黒田長政 |
釘 | 堅いものでも貫く | 徳川家康 |
お椀(合子) | 敵を飲み干す | 黒田官兵衛 |